スーパーや百貨店・物産展などで「モンドセレクション受賞」というロゴが貼られた製品をよく見かけるようになりました。以前は大企業しか獲得できない賞だと思っていましたが近年では賞をとっている中小企業が増えているようです。
ですが…ここまでモンドセレクション受賞製品が増えてしまうと、逆に「え?!申請さえすれば賞がとれてしまうんじゃないの?」と感じる方もいらっしゃるのでは?
実際、モンドセレクションの代行業者には「申請費用を払えばどんな製品でも賞がとれるのか?」という問い合わせが増えてきているという情報も…
そこで今回はモンドセレクションが公開している2017年・2018年の受賞結果をもとに、モンドセレクション各賞の受賞率を出しました。落選する割合とその原因についてもご紹介します。
出品数はだいたいどれぐらいなの?
モンドセレクションの審査・評価は年に一度しか行われません。審査・評価される製品は企業が出品します。日本では食品のイメージが強いかもしれませんが、モンドセレクションは化粧品やお酒・タバコなど様々な製品の審査・評価を行っているんですよ。世界各国の企業から出品される全てのカテゴリーの総出品数は、下記のようになっています。
- 2017年 2965点
- 2018年 2820点
受賞率の割合は?
まずは各賞の受賞率の割合を御覧ください。
[2017年] | 製品数 | 割合 |
---|---|---|
最高金賞 | 420 | 14.2% |
金賞 | 1368 | 46.1% |
銀賞 | 737 | 24.9% |
銅賞 | 166 | 5.6% |
賞なし | 274 | 9.2% |
[2018年] | 製品数 | 割合 |
---|---|---|
最高金賞 | 407 | 14.4% |
金賞 | 1350 | 47.9% |
銀賞 | 672 | 23.8% |
銅賞 | 155 | 5.5% |
賞なし | 236 | 8.4% |
2017年・2018年ともに、各賞の割合は大きくは変わりません。金賞の受賞率が最も高く、出品製品の約5割が金賞を獲得しているという結果になりました。
落選する割合は?どうして?
申請さえすればどんな製品でも賞が取れるのではないかという疑問がありましたが、2017年・2018年ともに「約1割の製品が評価基準にみたずに賞を逃しているという結果」でした。
やはり100%賞が取れるというわけではないようです。ただ約9割が受賞って、多い気がしますよね…しかし、この受賞率の高さには秘密があるのです。
モンドセレクションの評価方法は「絶対評価」。
モンドセレクションが設ける審査基準にそって、専門家・評論家が各製品に点数をつけ、点数によって賞がもらえるという仕組みになっています。各賞を獲得するために必要な点数を御覧ください。
《賞を獲得するための必要な点数》
最高金賞 | 90〜100点 |
---|---|
金賞 | 80〜89点 |
銀賞 | 70〜79点 |
銅賞 | 60〜69点 |
賞なし | 59点以下 |
コンクール形式のように他製品と比べて賞を与えるのではなく各商品ごとに審査されるため、各賞の受賞製品数に制限はありません。つまり、出品された製品の全てが90点以上をとれば、全ての製品が最高金賞を獲得できるということ。
モンドセレクションは「パッケージに記載されている成分が正しいか」「衛生」「情報提供が正しく行われているか」を科学的に分析するなど、【製品の品質に重きをおいた審査】を行っているため品質管理をしっかりと行っていれば賞を受賞しやすいと言え、それが9割以上の製品が賞を受賞している理由なんです。それだけしっかり品質が管理された製品が出品されているということなんですね。
では、逆になぜ1割近くの製品が賞を獲得できなかったのかと言いますと…単純に点数が59点以下だったら。ただし点数が満たなかった理由は、正直分かりません。
というのも、モンドセレクションの評価基準は詳しくは公開されていないんです。公式サイトでも「20にのぼる評価基準が記載された評価シートに基づき、 製品に対して判断を下します。」というかなり曖昧な記述しかなく、点数が取れなかった原因を推測するのは難しいと言えます。
では、今後出品しようと考えている企業が「受賞を逃さないためにできる対策」はあるのでしょうか?
モンドセレクション代行業者の仕事は出品作業の代行を行うことですが、評価の高い代行業者は必ずと言っていいほど「点数を獲得する独自のノウハウ」を持っています。落選する確率はかなり低いと言えますが、しっかりとした基準が公開されていない以上、確実に賞を受賞するためにはそういった専門家に相談するのも一つの対策だと言えますね。